大規模修繕、建物メンテナンスの定額サービス 投資家家主の利用が急増

2022年01月31日

 メンパクパートナーズ(大阪市)が提供するサービス『メンパク』は、大規模修繕や建物のメンテナンスを、15年間毎月定額の支払いで引き受ける、賃貸オーナーのための修繕サービスです。突発的、かつ、多額の出費になりやすい大規模修繕や、漏水などの修繕工事費用を、定額化、経費化できることが特徴です。長期にわたって安定したキャッシュフローを確保できることから、築古物件を持つ投資家家主の間でも利用が増えています。

メンパク / メンパクパートナーズ

定期的な小修繕を繰り返し、急な工事による突発的な支出を防ぐ

 『メンパク』は、1棟当たり家賃収入の3〜8%の定額料金で、数千万円かかるような大規模修繕から定期的な建物メンテナンスまで、15年間の長期契約で対応するサービスです。外壁補修や屋上防水のような大型修繕、鉄部やエントランス塗装のような小修繕、経年劣化に伴う補修を定額料金でカバーします。定額料金でカバーされない工事も一部ありますが、大半は緊急対応や漏水損害補償といった追加料金の対象になりません。契約期間中は定期的に建物を巡回し、大きな綻びが出る前に小修繕を繰り返します。また、メンテナンス状況を記した報告書が毎回作成されます。

工事が先、支払いは後。途中解約でも施工済み費用を払うだけ

 契約が成立すると、最初に建物診断が行われ、総工事費の予算と長期修繕計画が作成されます。これにより、家主はどの時期に、どのような工事が必要で、総額どの程度の費用が必要か、事前に把握できるようになります。


 修繕工事は、傷みの進みやすい部位や美観に影響する場所から優先的に実施されます。支払った額の積み立てで工事を行うのではなく、家主が支払う費用よりも、工事の方が先に行われる「先行工事・後払い方式」です。その上で、相続や売却に対応できるよう途中解約も可能です。その場合、家主は先行実施した工事費用分のみ支払えば、違約金を支払う必要はありません。

経費計上できるため、工事総額も圧縮できる

 メンパクパートナーズの怒田裕也社長は、「家主の最大のメリットは、キャッシュフローが最適化されること」と話します。月々支払う費用は全額経費として計上することができます。一般的に、大規模修繕の費用は、金融機関から融資を受けるか、あらかじめ修繕費用を積み立てておく方法しかありません。融資を受ければ、金利がかかり返済期間も7〜10年と短いため、キャッシュフローがマイナスになるリスクが増します。手元資金で支払う場合も、工事が実施されるまでの間、貯めた資金を経費計上することができず、その資金は所得税の対象となります。

 「結果として、『メンパク』を利用すれば、工事にかかる総額を3割ほど抑えられます。家主にとって虎の子の資金である、税引き後の利益の蓄積を、新しい不動産に投資するなど有効に活用できます」(怒田社長)

築古物件を保有する投資家家主の契約が相次ぐ

 『メンパク』が契約する賃貸マンションは、延べ240棟、4,000戸以上にのぼります。契約数は棟数ベースで昨年比140%、契約継続率は98.6%と増え続けています。その6割を占めるのが、築古物件を所有する投資家家主です。

 「一般的に保有期間が短い投資家家主でも、漏水やクラックによる雨漏りが起きれば修繕を行わざるを得ません。転売するにしても、資産価値を高めるために化粧直しの工事をする人は少なくありません。これらのコストを削減するのにも『メンパク』は理にかなっていると評価されています」(怒田社長)


家主からの要請で始まったサービス

▲メンパクパートナーズ(大阪市)の怒田 裕也社長

 そもそも『メンパク』は、福岡県北九州市で、一人の家主の要望から始まりました。数十棟の賃貸マンションを所有する家主が、突発的な大規模修繕のために数千万円の費用を常に準備しなければならないことに嫌気がさし、「月々決まった支払いで、複数物件の修繕を管理できないか」と、工事会社に相談したことがきっかけです。

 相談を受けた工事会社は利益を出すために、効率的な人員配置でやりくりすることを考えました。通常であれば、工事会社はまず利益を確保して、残りの予算で人を集め、無理のないスケジュールで回せるように工期を組みます。一方で、定額制のビジネスモデルは、契約期間中に工事を行いさえすれば工期に縛られないため、一人のスタッフが複数の物件を並行して工事を行うことができ、マンパワーを最大限有効に活用することが可能です。これが、定額制修繕サービス『メンパク』の原型となりました。

 2005年に実証実験をスタートし、2012年10月、『メンパク』としてサービスを開始する同社の親会社、オーナーズクラブ(福岡県北九州市)が設立されました。「先行工事・後払い方式」をとるため、当初は利益を出すのに苦労しましたが、契約棟数が100棟を超えたころからスケールメリットにより、事業が安定したといいます。「『メンパク』は、一度きりの修繕工事だけでなく、その後のメンテナンスも継続しておこないます。長期的に躯体の状態を良好に保つことで、修繕費を大幅に削減でき、入居率改善にもつながります」(怒田社長)

【商品概要】
商品名:メンパクパートナーズ/メンパク
商品概要:大規模修繕や建物のメンテナンスの定額サービス

【会社概要】
社名:メンパクパートナーズ
設立:2020年9月
取締役社長:怒田 裕也
資本金:515万円
事業内容:定額制マンション修繕サービス“メンパク”の企画開発
     メンパクに付随する工事メンテナンス事業
本社所在地:大阪府大阪市北区堂島浜2-2-28 堂島アクシスビル4階
会社HP:https://owner.menpaku.com/
問い合わせ先:contact@menpaku.co.jp